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My special doctors

歌い込み過ぎか、疲れのせいか、今週からまた声がかすれて来た。
声がかすれ始めると、どうしても声帯結節の事が頭をよぎる。
今年に入ってから、耳鼻咽喉科に何回行ったかな...?
優に20回は超えていると思う。

ちょっとでも喉が腫れたり、声が曇り出すと、
もう居ても立ってもいられなくて、すぐにドクターの所に駆け込む。

そう言えば、この2週間行ってないなあと思い、
録音も佳境に入って来たので、声帯を診て貰おうとクリニックに行った。

私の主治医のDr.Chanは、"Hi Sachiyo~nice to see you again!"と言って、
いつも優しく迎え入れてくれる。
英語で考えると、普通にスルー出来る挨拶なんだけど、
日本語で考えると、お医者様にまた会えて嬉しいと言われてもなあ...と、
いつもごちゃごちゃ考えながら診察室に入る。

彼は私の声帯の構造や、声の特徴だけではなく、アルバム制作の全貌も
知っていて、私がどういう事を大事にして歌っているかまで理解してくれている。

今こういう段階で、何曲歌って、リハーサルと録音の間にどの位のインターバルが
あって...とか、状況を説明して、対策と治療方法を説明して貰う。
お薬もいつも最低限。
内容によっては、飲みたくないとか、まだストックがあるからいらないとか、
本当に素直に話せるんだよなあ。

いつもの通り、ファイバースコープで声帯をチェックして貰うのだけど、
もう私はこの検査のエキスパートになってしまった。
どの段階で唾を飲んで、どういう息の吸い方をすると楽とか、熟知してしまった。

幸い、声帯は何の問題もなし。結節の後は見事に完治し、きれいな状態。
ただ、喉にちょっと炎症があると。
「あなた寝てないでしょ! ちゃんと寝なさい。」と怒られる。

昨夜は、エンジニアから夜中の1時に終わった曲のラフミックスが送られて来て、
そこから内容のチェックをしていたら、結局寝たのは朝の5時になってしまった。
先生、お見事!
と、感心して居る場合ではなく、今、寝不足が本当に深刻な問題。
やる事が山積みで、深夜にまで渡る作業が多く、
おまけに録音への緊張か、眠りも浅い。
夢はレコーディングの夢ばっかり。
今月一杯は何とか自分をコントロールして、がんばらないと。

Dr.Chanの後は、スピーチセラピストの元に直行。
今日はお医者様、二本立てだった。

スピーチセラピストのDr.Sin Yongの所には、
最低週1回、難曲の場合は週2回行く事もある。
今回のアルバムのラインナップは、音域の広いものが多く、
無理な発声をして、また結節を作るのが私は死ぬほど怖いのである。

録音した曲のラフミックスをセラピストに聴いて貰い、
発声に無理がないか、細部に渡ってチェックして貰う。
前回のは、オールOKを頂けた。やったね!

そして次に録音する曲のまずストーリー展開を作り、
声の出し方を一緒になって研究する。
このパートは鼻の上部で歌い、このパートはお腹に力を込めて、
背筋を固定させて歌うとか。
専門的には"Head voice"とか"Chest voice"とか用語が色々あるのですが、
レジデンスをその都度変えて、声帯に負担をかけずに
楽に発声する方法を教えて貰う。
「英語の発声」はまた特別な方法論があるので、なかなか難しい。

彼女の素晴らしい所は、調子が悪い時にどのように声を出すか、
ということを教えてくれる点。
スポーツ選手が故障を起こして試合に出なくてはいけない時の、
対応の仕方みたいなものを、次から次へと教えてくれる。
彼女の所に通うようになってから、本当に声がよく出るようになった。

お人柄も素晴らしく、私をしっかりと受け止めてくれている。
いつも録音日時を伝えていて、いざという時、声の出し方に混乱した時は、
いつでも携帯に電話をするという約束をしている。

今日行って、嬉しかったのは、可愛らしいお話が聴けたこと。
前回の訪問の際に、小さな男の子が待合室に居て、
私はいつものように、レコーディングする楽曲を歌い繰り広げながら、
ドクターと話し合いを行っていた。

その男の子が、次に来た時に、
"When is that lady come to sing here for me?"と、聞いたらしい。
OMG...なんてSweetな。
その男の子は私の歌が気に入ってくれたようで、
「僕のために」と思ってくれている所がなんて可愛い。
ドクターには、
「今度、あなたの為に歌う機会を作るわ...と女の人が言っていたと伝えて下さい」
と言った。

あーん。タケルちゃん思い出しちゃったなあ。
昨年日本を出る時まで、私の恋人だった7才の男の子。今はもう8才か。
全然連絡してないけど、元気かなぁ。
「今度、ママ抜きで会わない?」というフレーズが妙に頭にこびりついている(笑)

さて、日曜はアルバムの最難関曲の録り。
難曲ってばっかり言ってるけど、それぞれ難しさの性格が違うのだ。
今回の曲は、「音域」という意味で難曲か。

そしてもう1曲は、私のオリジナル。
今回、ちょっと新しい試みをしてみようと思っている。
日々挑戦。
sachiyoの録音バトルはまだまだ続きます。