この国を30年も見ていると、昔と今のあまりの違いに驚かされる事が多い。
違いを話し出すと切りがないが、わかり易い所では、まず物価が非常に高くなった。
例えばタクシー。
私が最初に来た時のタクシーの初乗り料金は40¢(いつの時代だ!!)だったが、
今や$3。(会社によっては$2.80の所もある)
昔は、タクシーはエアコンが効いてなくて、イスのクッションが破れ穴が空いていて、
道路が見える恐ろしい時代だった。
今は、エアコン無しのタクシーはもちろん皆無だし、料金のメーターも、
ピークタイムは追加料金がかかり、その追加料金も時間によって細分化されていて、
おまけに追加料金にもメーターがあり、それも上がっていく。
家からオフィスまで平均して通常は$4.50。夕方17:00以降になると$6。
更に19:00以降に乗ったら$9かかった。ひぇ〜という感じである。
更に更に。CBDエリアと呼ばれる繁華街や中心部に入る時は、
ERPのガントレーが設置されていて、センサーでお金が落とされるので、
これも加算される。こちらも時間帯や場所によって、50¢〜$2位プラスされる。
ピークタイムにCBDエリアに入る時は、通常$6位で行く所が$15かかって
面食らった事がある。
私はある程度、シンガポールの道がわかっているし、
どこからどこまでどの位かかるという大体の料金を感覚で知っているのだが、
こうなるともうよくわからない。
ただ、ピークオフタイムの通常料金はいつも平均しているし、
シンガポールに来ると私はかなり強気になるので、交渉する時もある。
「私はこの道を何十回もタクシーで移動しているけれど、
どんなに高くても$5以上になった事はないので、$5以上は払いたくない。」と
何度か言った事がある。
すると大体のタクシーのおじさんは「わかったよ。$5でいいよ。」と答えてくれる。
日本では、昔怖い思いをした事があるので、
日本語では「近くてすみませんが、どこどこまでお願いします。」と消極的に言う私が、
英語になると、いやシンガポーリアン相手だと、まず言ってみよう、
ダメならダメでいいやという気持ちになるから不思議だ。
Kiasu (Singlishの代表的な単語でシンガポーリアンの気質を表す。損をしたくない、
元を取りたいという意味で福建語が語源。)精神が、私にもあるのだろうか。
でもやり過ぎると、日本人女子として可愛くない気がするので、
気をつけるようにしている。
日本も最近は、タクシー会社同士の競争が激しくて、
お客さんに対する接し方も厳しく求められるらしいので、
「別に近いからと言って、謝らないで下さい。乗って頂けるだけでありがたいです。」
と、言われて驚いた事もあるけれど。
タクシーに乗ると、私はほとんど9割、中国語で話しかけられる。
「我是日本人」と答えると、物凄く驚かれる。チャイニーズに見えるらしい。
来たばかりの頃は小さかったので母と一緒に乗り、
大抵"Are you Japanese?"と聞かれていた。
"Yes"と答えると、場合によっては、降ろされた。
反日感情が残っていた時代で、結構悲しい思いをした。
その後は、日本人とわかると、遠回りをされたり、ふっかけられる事もあった。
母は「お陰で、道を覚えた。ちょっと高い授業だったと思えばいい。」と、
超ポジティブで、今は自分でガンガン運転するし、国内中の道を知っている。
90年代頃が、料金もタクシーのサービスも一番安定していたかな?
日本同様、女性の運転手さんが増えたのもこの頃だった。
私はこの頃、シンガポールの広告代理店で働いていたので、
タクシートップや車体への広告が一番加熱した時期だったのも覚えている。
最近はタクシー広告も控えめになったけど。
2,000年に入って、"Singlish"を見直す動きが更に高まり、
「きちんとした英語を話そう」という事が以前より求められるようになった。
それまでタクシーの運転手さんは、こてこてのSinglishもいい所、
ほとんどBroken Englishで喋っていたが、
"Ye〜s, where would you like to go, mam?"とか"Certainly"とか、
ホテルのフロント並の言い方をする人も現れ、びっくりした。
まあ、まだ一握りで、圧倒的にSinglishのおじさんが多いのだけど。
昔よりも今の方がいい点は、日本人だから遠回りされるとか、
ふっかけられるという事はまず無くなった。
でもタクシーの料金自体が高くなったので、時間帯を気をつけないとえらい事になる。
私は、タクシーに乗る時も含め、シンガポールでお金を払う時に気をつけている事がある。
「日本円に計算すると安い」という考え方を、出来るだけやめることだ。
日本から短い滞在でシンガポールに来る時は、
円に計算して「安〜い!!」とついつい買ってしまったりしたが、
今はこちらに住んでいるので、円に計算するのはなるべくやめ、
こちらの標準値で考えるようにしている。
今は特に円高で、1$=65円を切ってしまうので、
タクシー代が$10掛かった!!と大袈裟に言っても、
日本円に計算すれば650円にも満たない訳で安い!!...この考え方が危険である。
私がシンガポールと関わって最も馴染みのあるレートは1$=100円。
基本、この考え方で行くこと。
プラス、タクシーに$10も出すのは高いという価値観が、この国では標準。
I'll go this way lah.
